「やあ土門」
「うわっ、何してるんだよ!」
「別にあわてなくてもいいじゃない。確かに私は帝国生だがサッカー部ではないし」
「そういう問題か!」
「それに本当に雷門に用事があって来てるんだ。調理部として」
「え、ちょ、調理部?部活入ってたのか!?」
「完璧に幽霊だけどね。料理は好きだから」
と言ってみるものの、一年の時の料理はひどかったな。
何を作っても黒こげだったし。
それに比べたら今すごく進化してないか、私。
「まあ、確かにたまに差し入れてくれるお菓子うまかったなあ」
「ああ、そう?じゃあまたの機会に持ってくるよ」
「マジで?楽しみにしてるな」
「おーい土門! 何してるんだー?」
「練習始まるぞって、帝国の制服!?まさか偵察か!?」
「偵察?何の偵察だ?」
きょとんとした顔で首をかしげるは本当に何も知らないような顔をしている。
正体を知っている俺でさえそれに不自然さを感じないあたりほんとこの人すげえ。
「とぼけるな、どうせ帝国サッカー部の偵察なんだろ!?」
「サッカー?ピンク君、私は調理部としてこちらに招かれたから来ているんだが」
そう言って小脇に抱えていた大きめの封筒をは染岡に見せた。
その封筒を見ると、雷門中から帝国宛てに送ったものだということが分かる。
更に封筒の中身を出して、は染岡に手渡した。
「・・・調理部親睦会?」
「うん、調理部同士で集まろうかって話になって、その計画を立てるために来たんだ。
本当は部長と二人で来るはずだったんだけど、急に風邪で休んじゃって。
だから今回は副部長の私だけが来たんだ」
「(ええ、副部長だったのか!?幽霊なのに!?)」
「(顔に出すな馬鹿)ここに来るのは初めてだったから、ちょうど通りかかったノッポ君に家庭科室への道を聞いていたんだ。練習を邪魔して悪かったね」
「ああ、そういうことだったのか。土門、家庭科室までつれててやれよ。俺たちは先に始めとくから」
「ああ、わかったぜ。こっちです、えーっと」
「だ。。中学二年。君は?」
「俺は土門。俺も中二だ。よろしくな」
「ああ、よろしくな」
「(、ポーカーフェイス過ぎるな。俺だって事情知らなきゃ完全に騙されるぞあれは)」
「(そういえば、夏美がサッカー部のマネージャーなんだよな。・・・土門にばれてないよな?)」
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土門とはそれなりに仲良し。
100516